特定行政書士はビジネスチャンスか?

●特定行政書士制度とは?


2015年12月から、特定行政書士制度が始まりました。
これまで、行政書士は依頼者に代理して公官庁等に提出する書類の作成を行うことも、代理申請することもできましたが、不許可になったときなどは依頼者に代わって不服申立をすることができませんでした。

そのため、依頼者本人が不服申立を行うか、代理人を立てるとしたら弁護士に頼むしかありませんでした。依頼者本人が不服申立を行うのは、かなり困難です。
しかし、弁護士に依頼するとすれば費用がかさみ、また、申請内容や経緯を一から説明しなおさなければならず、不服申立をためらってしまう人も少なくなかったと考えられます。

特定行政書士制度とは、そのような困難に風穴を開けることができる制度です。
具体的には、行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する行政不服申立に係る手続の代理を行うことができるようになったのです。
行政書士会は、特定行政書士にかなり力を入れています。
日本行政書士連合会のホームページのトップページでも今年度の特定行政書士研修を案内しており、力が入っていることが伝わってきます。

日本行政書士連合会(https://www.gyosei.or.jp/)


●特定行政書士をチャンスに変えるには?


特定行政書士制度が始まったことによって、行政書士が「できること」の範囲が広がりました。
これはビジネスチャンスと言えるでしょうか?

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不服申立というと、許可が取れなかったというイメージが強いかもしれません。
また、不服申立をしてまで争うような許認可業務はそもそもごく限られているということで、特定行政士になっても実際の仕事にはつながらないという意見もあります。

しかし、行政書士であればそのように詳細までわかっているとしても、仕事を依頼する側から見れば「万が一のときにもまとめてサポートしてもらえる」という良いイメージを持つ人が多いと思います

特に、ホームページで集客することを考えている人は、特定という肩書を積極的にアピールして競合との差別化を図ることができるでしょう。
意外と、ホームページはじっくり読まれるので、特定とはどんなものなのかを文章でしっかりアピールするチャンスです。

特定をどう使うかによって、ビジネスチャンスにすることもできれば、「使わない資格」と切り捨ててしまうこともできるのです。
これから開業を考えている人であれば、営業ツールの一つとして特定を取っておいて損はないと思います。

また、開業はゴールではなくスタートなので、開業してから仕事を継続して行っていくには、常に勉強が必要です。
行政書士になれば様々な研修会に参加することができますが、特定行政書士を対象とした研修も今後増えてくると考えられます
参加資格が特定行政書士に限られるとしたら、その時点で情報格差が生じます。
そんな不利益をこうむらないためにも、特定は取っておいたほうが良いでしょう。

結局、特定という制度をビジネスチャンスにできるかどうかは、それを使う人にかかっています
むしろ、新しい制度ができるごとに「そこに何かビジネスチャンスがあるのではないか」と考えられる人が、行政書士に向いているとも言えるのではないかと思います。

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