「最初の顧客」の掴まえ方

行政書士として独立・開業するうえでは、他業者との差別化を図る意味でも、自身のメイン業務を決めて、それを強く打ち出すことが重要です。

しかし矛盾するようですが、開業当初は、そのメイン業務だけに縛られるのも考え物です。
たとえば「会社法」をメイン業務に決めたとして、何の実績も持たない新人の行政書士に業務を依頼してくれる企業が果たしてどれくらい存在するでしょうか?

もちろん、行政書士事務所としての方向性はある程度定めておく必要がありますが、開業当初は、メイン業務に縛られず、依頼のあった仕事は何でも受注するくらいの貪欲さが必要だと思います。
なかには、あまり自信のない分野の依頼もあるかもしれませんが、現在はさまざまなマニュアルがありますし、インターネットを通じて実務知識を収集することもできるので、その点はあまり心配する必要はありません。

また、メイン業務だけでなく、価格に関しても柔軟な対応をしたいものです。
行政書士開業に関するマニュアル本の類を読むと、「仕事の安売りをしてはいけない」といったことがよく書かれています。確かに、一度値下げをしてしまうと、元の価格にはなかなか戻せないというのは紛れもない事実です。

しかし、開業当初はそうも言っていられません。個人的には、最初の数件に関しては、無料でも仕事を受注すべきだと思っています。
開業行政書士にとって何より強い武器となるのは「実績」に他なりません。無料で受注したとしても、業務完了後には「実績」になるわけですから、新人行政書士にとっては金銭以上の価値があると言っても過言ではありません。

一方で、特別なコネやネットワークを持たない新人行政書士にとっては、最初の顧客を掴まえるのが非常に難しいと言われています。無料で受注したくても、そもそも顧客と接点がなければ、それすらかないません。

そんな人におすすめなのが、無料相談会の開催です。直接仕事につながるような相談はなかったとしても、多くの人たちと接点を持つことでネットワークは確実に広がります。
また、親身な対応をすることで、行政書士としての丁寧な仕事ぶりが口コミで広がるといったことも期待できます。もちろん裏を返せば、悪いうわさも一気に広がることになるので、無料だからといって、決して手を抜くことは許されません。

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